



世界をひっくり返す出来事。
当たり前だったはずのことが、突然できなくなる…。
住まいと食、地域の人々のつながり。
暮らしを豊かにする、“変わらない”本当の価値とは何でしょうか?
辻木材株式会社・辻将大社長と、「にじいろファーム」西山健児さん・未和さん夫妻の対談です。
— もともと高校の同級生だったという辻社長と未和さん。最近はそれほど接点のなかったという2人ですが…
未和さん:最後に会ったのはいつ?って感じでしたよね。
辻:共通の知人から「彼女、いま農業やっているんだよ」と聞いてここに連れてきてもらったんです。そのときのカブがおいしかった。人にあげても評判が良くて、それで見学会のお客様に配ったら、とても喜ばれたんですよ。

— 健児さんの前職は医療専門職、未和さんは会社勤めをしていて、七飯町では例のない新規就農者というお二人。今年、師匠から直売所「ガードショップはんだ」を引き継いで「にじいろファーム」をスタートさせました。
健児さん:新規就農のきっかけは子どものために始めた家庭菜園でした。買ってくるのが当たり前のものが自分で作れるんだと、野菜が育っていく姿に感動したんです。それで2017年の春、農業の世界の門をたたきました。
最初は農家のバイトという立場で、2年目からハウスを1つ貸してもらい、作った野菜を直売しながら仕事を覚え、段々と借りる土地を増やしていきました。
未和さん:それで、町に前例がなかったので手続きに少し時間がかったんですが、昨年正式に新規就農者として認められて、今年は師匠から店の運営を引き継ぎました。
最初に彼から「農業をやりたい」って聞いたときはびっくりして反対もしたのですが、いま、少量多品種で作ってみたい野菜もあるし、人との新しいつながりも広げていきたいし、やりたいことがどんどん出てくるので毎日とても楽しいです。

— 食と住。「本当の価値や豊かさとは何か?考えるきっかけになった」と辻社長。
辻:“衣食住”というわりに住宅業界と接点のない農業について、今回多くのことを知ることができて良かったです。西山さんの野菜は本当においしい。スーパーに並ぶ姿を当然と思っていると目を向ける機会がありませんが、野菜はここで根を張って育っているんですね。
意識する必要さえなかった“当たり前”がコロナで覆される。例えば物流が止まり、国産のはずの住宅設備が「一部の部品は海外で作っているので製造できない」ということもあった。でも、人と会うことや外との往来が制限されることで、顔の見える付き合いや地元のつながりの大切さ、モノの本当の価値を、改めて考えるきっかけにはなったと思います。
この対談から、住まいの価値や「小さな会社だからこそ地域でできること」を考えるうえで刺激をもらいました。これからも地元のつながりを生かす異業種連携を広げましょう。面白いことが起こりそうですね。
西山夫妻:ぜひ!

— 辻木材では、地域の商品とのコラボ企画を随時募集しております。

